弊社は57期から「一人ひとりのウエルビーイング」を年度スローガンにしています。個人の幸せを追求し、肉体的にも精神的にも社会的にも健全な状態をつくり、地域や会社や社会に貢献できる人になることです。このウエルビーイングを達成していくためにどんな心掛けが必要なのでしょうか。
 毎日与えられている24時間を漫然と過ごすべきではないはずです。自分にとって気にいらないことがあると、話の合う仲間を見つけて愚痴をこぼすことではないはずです。「それでもなお、人を愛しなさい」副題として、「逆説の10ヵ条」という本を紹介します。そこには「一番大切なこと」として、「生きる意味に満ちた人生を送るにはどうすれば良いのか」とあり、「その指針を示す」とあります。10ヵ条の内、5ヵ条を記します。

人は不合理で、分からず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。

何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。

正直で素直なあり方はあなたを無防備にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。

何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築きあげなさい。

 いかがでしょうか?私には、とても込み上げてくるものがありました。人生訓にしていきたいと強烈に思っています。この作者のケント・M・キースさんが、ハーバード大学在学中に提唱し、学校の広報誌に掲載されました。巡り巡って、マザー・テレサがこの言葉に感銘を受け、カルカッタの<孤児の家>の土壁に彫られた言葉、つまりマザー・テレサが孤児たちにいつも触れさせたい言葉になったことを31年後に知ることになるのです。信じがたいことで、とても感動したと表現しています。
 彼は言います。「世界がどんなに狂っていたとしても、人は人間としての意味を見つけることができると私は確信しています。同時に、他人から認めてもらうことや拍手喝采を受けることに心の焦点を合わせる代わりに、人間としての意味に焦点を絞って逆説的な人生を生きたなら、この世界はもっと意味のあるものになるだろうとも確信しています」
 混沌とした時代。逆説的なウエルビーイング達成のための考え方です。味わって頂きたいです。

合掌