良い会社には、人生観・正しい生き方という人として大切なことを十分な時間をかけて教育する仕組みがあり、一人の人を大切にする風土があると思います。そしてそのことが、人生のやりがいを見出し、結果として大きな成果になっています。仕事を通じてお客様に役立つことが幸せを感じることにつながるのではないでしょうか。
NHKラジオから流れてきたお話しです。アナウンサーが年配の婦人から届いた便りを読み始めました。
「先日和倉温泉のある旅館に行きました。そこであった話をさせていただきます。玄関で心のこもったお出迎えを受け、さすが以前来た時と同じだと感動しました。仲居さんが荷物をもち部屋へ案内をしてくれました。説明を受けたあと、ふと仲居さんが一人で訪れた私に興味を持たれたのか『こちらは初めてですか?』と説明されました。私は言うつもりではなかったのですが、その優しい
声にふと『実は・・・』と話し始めていました。『2回目です。もう30年も前になります。新婚旅行で訪れました。感動の連続でした。そして主人と約束をしました。【また来ようね】と。
それから二人で一所懸命に働きました。多くの辛いこと苦しいことを二人で乗り越えてきました。あっという間に長い年月が過ぎていました。その主人が病で亡くなりました。今日は結婚記念日なのです。主人との約束を今でもはっきりと覚えています。その約束を果たす為に主人と一緒に来ました(と懐から一枚の男性の写真を取り出しました)』
仲居さんは『ゆっくりおくつろぎください』と部屋を出られました。温泉でくつろぎ休んでいると、隣の部屋で夕食の配膳をしている音が聞こえました。その後、静寂のなかで、静かに襖が開いて、仲居さんが『お待たせしました。食事の用意ができました』と案内されるままに入った瞬間、驚きました。
二人分のお膳が用意してありました。仲居さんが『ご主人とご一緒にお食事を』と言ったところで私は、泣いてしまいました。仲居さんも涙を流しながら、微笑んでおりました。
なんと素晴らしい心遣いでしょうか。私は、この時の感動を伝えたくてお便りさせていただきました」
感動のサービスは人から人へと伝説になって伝わります。我々もこの仲居さんの優しい心遣いを見習いたいですね。
合掌