ひとつ決めたことを中々継続できない自分ですが、3年前から『楽読』には、月に3、4回行くようになりました。『楽読』とは簡単に言えば速読です。速読にはひとりでやるものですが、『楽読』は多くの人が集うことで、本の内容を発信しあい、速読する力や熟読する力を養います。
 最初に与えられる本は、ディズニーの「王様の剣」です。内容は王が崩御したイギリス混乱の時代。石の台に刺さった剣が現れます。 台には「この剣を抜いた者が次の王である」とありました。国中の力自慢がやってみますが、誰も引き抜くことができません。そこに、しがない召使のワートが登場します。彼は狩りに出かけるのですが、木の上から落ちて魔法使いマーリンに出会います。マーリンに魚、リス、鳥に変身させられ、そのたびに命の危険に襲われますが、その危険を救う人が現れ、人間的な成長を繰り返します。ある時、剣術を競う試合があり、ワートが宿に剣を忘れたため、この石の剣を見つけ持ち出します。皆は、それが「王の剣」と分かり、その試合は中断されます。皆が石の周りに集まり、再びワートが石に戻した後、誰が抜いても抜けません。しかし、ワートが剣を引くと簡単に抜けました。皆がこう叫びました。「アーサー王万歳!」。
 これが、『楽読』の最初のテキストです。物語の面白さに惹かれつつ、人との出会いの大切さ、常に変化する環境下においての小さな気づきを重ねながら、人は知らず知らずの内に成長していくことを、『楽読』は教えていると思っています。
 訓練内容は、まず1分間計測です。1分でどれくらい読めるのか計測します。その内容を短くコメントを作ってアウトプットします。
その後、眼筋を鍛えます。左右、上下、遠近に目玉を素早く動かします。そして、呼吸法で気力を高めます。最後は一番の特色である眺める時間です。英語の2倍速の音を聴き、本の内容をおおまかに視界に入れながら、その内容を捉え、1つのテーマについて自分の思うことを皆に聞いてもらいます。聴きながら、見ながら、話すのです。これを並列処理の時間と呼んでいますが、面白いことに自分でも思ってみなかった言葉がでてくるのです。胸の奥に秘められた思いが殻を破って出てくるかのようです。この時が一番ワクワクします。
 この3年間で、読む時間はあまり変化ないようですが、文章を短い時間で把握する力はついてきたようです。自分にとって『楽読』は脳活トレーニングになっています。皆さんもそれぞれの脳力を高める何かを探し出してはいかがでしょうか。

合掌