今回の「ひとりごと」は、少し趣向を変えて、身近な歯にまつわる健康管理のお話です。皆さんは歯医者にどの位の頻度で通っていますか?
口の中に違和感を覚えたときに診察してもらう程度に行っている方も多いと思いますが、何の違和感もない状態のときでも、2~3か月に1回は定期健診に行くべきだと考えるようになりました。ある情報誌に歯磨きに関しての新しい考え方が紹介されており、それには何と、「食事の前に歯磨きしなさい」とありました。普通は反対ですね。結構自分にとっては大きな衝撃でした。
この歯磨きの方法は歯周病菌対策として有効らしいのです。歯周病菌の怖さを改めてみていくと、歯茎やその周辺の血管などに、この菌が侵入することで、「虫歯」や「歯が抜ける」以上の現象が身体中に起こります。
まず、歯周病の人はこの菌の毒素によって産出される炎症物質が血糖値を下げるインスリンの働きを抑え、糖尿病を悪化させます。また、狭心症や心筋梗塞などを含む、循環器系の病気になるリスクも高まるそうです。これはこの菌が歯茎の血管を通じて動脈に入り込み、直接血管障害を与えたり、炎症性のたんぱく質が血流を通じて心臓や血管に移動して、心臓血管系の異常を引き起こすからです。また、呼吸器系では、この歯周病菌がついた食べ物を唾液と一緒に誤嚥することで、肺炎を引き起こします。
また、アルツハイマー病にも関与が分かり始めたようです。歯周病の原因菌によって作られ、口臭の原因にもなっている「酪酸」が脳の海馬で、鉄分子を作りだし、脳細胞を破壊します。
以上みてきたように、歯周病を甘くみると、歯周病菌が全身に回ってしまい、多くの病気になってしまうことがよく分かるのではないかなと思います。
歯磨きは、できるだけ食事の前に行ない、そういった菌が体内に入らないようにすることが大切です。習慣でなかなかできない場合は、うがいで歯周病菌を吐き出してから食事をし、後に歯磨きをすること。そして、出来れば2~3か月に1回は、歯医者でどうしても溜まる歯石を取ってもらい、歯周病菌の発生を抑制したいですね。
人生100年時代。明るく楽しく元気に生きるためにも、歯磨きのやり方と口内ケアは本当に大切なことと考えます。皆さんもぜひ。
合掌