弊社の名古屋市東区にある本社で、ある試みを始めました。それは3分間スピーチです。私も含めて11名の人員ですが、毎日順番にスピーチをします。普通は話を一方的に聞くだけですが、試みとして私も含めた役職者がこの話にコメントを述べます。いわば対話型の3分間スピーチです。この時間が大いなる学びの時間になっています。
うるう日の少し前にこんな話がありました。「なぜ、うるう日があるかというと、地球は実は365日と6時間で公転している。だから4年で24時間、つまり1日余分のうるう日を作り、公転の時間をリセットしている」と。なるほど言われてみれば簡単な理論ですが、とても腑に落ちました。この話に対するコメントは「何気なく使っている通常の言葉の中身には『なるほどそうだね』と納得できる深い意味が隠されていることがある。意味を考える癖を持つと、言葉が面白くなる」でした。
また世界卓球があった翌日には、「昔の卓球の試合で、球が台の角に当たって点が入ったとき、『ラッキー』と言って喜ぶのが一般的な選手でしたが、今はそのように点が入ると、頭を下げて謝る選手が主流です」というスピーチがありました。この話のコメントは、「剣道では一本決めた後も喜んだり、ガッツポーズをしたりすると有効と認められないこともあります。卓球も日本の武道に通じるものが出始めましたね」。世界のスポーツも礼儀という意味において、どんどん進化している。その変化を巻き起こしているのは、やはり日本の相手を思いやる文化ではないかと感じ入りました。
この3分間スピーチを導入して約3カ月が経過して気づくことは、人は自分の思いを言葉にして話すことができるようになると楽しくなるということ、人はプライベートな話をすることで親近感が湧くということ、それと上司の考えが伝わる場所をもつことは職場の人間関係においてとても大切だ、ということです。義務感でやっている社員さんもまだおられると思いますが、そこから脱皮して、この場で自分を表現し、皆から理解される場所と捉えると、会社へ行くのが楽しいウエルビーイングの状態になっていくと思います。
弊社も全国に部門があります。社員さんのスピーチにコメントできる部門が広がっていくと、更に楽しくなっていくと思います。部門長の皆さんに、是非、そんな場所を作っていただきたいと思っています。
合掌