幸せなお金持ちには、ある共通点があります。それは、お金そのものに執着していないということです。そのため、彼らは財産を全て失ったとしても、きっと幸せにいられるはずです。そこまで裕福でないのに、幸福度が高い人もいて、いくつかの傾向が見られます。ひとつは、生涯の生活設計ができていることです。ファイナンシャル・ウェルビーイングに関する調査で、老後までの生活設計がきちんと描けていない人ほど、幸福度は低い結果です。反対にいつローンを返し終え、教育費がいくらかかるかを理解し、老後まで大丈夫だと見通せている人は、資産が多くなくても安心感があります。地眛に見えるかもしれませんが、将来の見通しが立っているほうが、幸福度は高まるようです。だからと言って、刺激や挑戦力が不要というわけではあリません。生活設計ができたうえで、新しいことに挑戦したり、投資や起業をしたりする方が、結果的には幸せに近づく可能が高いでしよう。
またひとつは、感謝の心と良好な人間関係を持っているという傾向もあります。私が監修した「年収400万円で幸せな人」と「年収1.000万円で不幸せな人」を比較した調査では、前者は「これだけもらえてあリがたい」という感謝に満ち、友人が多く、助け合いの場の中で生きていました。一方、後者は「全然足りない、もっと欲しい」という欠乏間を抱え、友人が少なく、性格的にもどこか余裕がありませんでした。これまで復興支援のNPOに参加した私の妹や、地域貞献のために移住した人が、年収が大きく下がっても幸せそうに働く姿を見てきました。雅かを幸せにしたいという気持ちは幸福感を高めるのです。
またひとつは、お金の使い方も幸福度を大きく左石します。お金は自分のために使うより、他人のために使った方が幸せになることが、様々な研究で示されています。そのメカニズムは脳科学的に説明できます。誰かに親切にした瞬間、感謝される前から「自分はいいことをした」という感嵬が生まれ、脳内で幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやオキシトシンが分泌され、幸福感が長く続きます。他人のために使う金額の多はさほど関係あリません。収入の多くない人がわずかな額を寄付しても幸福度は上がリます。お金持ちにならなくても誰でも年収の1%や5%を寄付することはできるはすです。仏教には、人知れず善い行いをする「陰徳を積む」という言葉があります。見返りを求めない姿勢の理想形と言えるでしょう。お金の使い方が幸福度を左右するのは、人のためだけではありません。自分のために使う場合も、何に使うかによって、得られる満足が変わります。モノを買うより旅行などの「コト消費」の方が満足を得やすいといえます。「コト消費」は比較とは関係なく満足を得られる「非地位材」なので、幸福が長続きします。
最終回は、歳をとってもお金に頼らず幸せになる「4つの因子」を紹介します。
合掌
